K.U.E.L. INSTRUCTORS
2020
特別対談企画②
Mr.Fasca × Mr.Miller
本文:日本語版
はじめに
本企画は現役生とオープンジャッジの接点、関わる機会が極めて少ないことを疑問視したのがきっかけで企画しました。本企画では、ジャッジ方がスピーチに何を求めていて、どう考えていらっしゃるのかを対談形式でインタビューを行っています。これを読んだ方は是非、自分のスピーチに存分に活かしていただきたいです。
第二弾である今回はネイティブジャッジを代表するこの二人!Mr. Chad Fasca & Mr. Mathew Miller さんによる特別なご対談です!実は同じ大会ではあまり顔合わせしたことがないお二人。ネイティブ目線でESSスピーチをどう見ているのでしょうか。今回も必見です!!!
※日本語版では正しく訳されていない可能性、またはカットしている部分があります。ご了承ください。英語版の方が本原稿となりますのでそちらもご覧ください。
PROFILE

Mathew Miller 様
ご趣味 料理して食べること
好きな食べ物
刺身、ピザ(混ぜないよ!)

Chad Fasca 様
好きな食べ物
キムチ、ピーナッツバター
(今のところは混ぜてはない)
×
記事の最後ではお二人のおすすめスピーチも掲載させて頂いていますので必見です!!
インタビュー本文
Q: お二人が初めてESSスピーチのジャッジを務められた頃のことを教えていただけますか?
Fasca:なかなか記憶から抜け落ちている部分もあるのですが、たしか2012年だったと思います。審査した大会の記録をちゃんと残しているのは2014年ごろからですが。そんなに昔のことではないので、なんの大会だったかはそんなに忘れてないと思います。上智大学学長杯か法政大学総長杯のどちらかだったかな。とても緊張していて、最後のジャッジコメントをするのがとんでもなく不安だったのを覚えています。出場した全スピーカーに共通して必要なアドバイスができるように努力していましたね。彼らのこれからのスピーチ人生に何か価値のあるものを与えたいと思っていたので。
なるほど、そうだったんですね。ではミラーさんはいかがですか?
Miller:そうだね。チャドと同じように、私もそれほど昔のことは覚えていないですが、おそらく、東京外国語大学主催の小川杯が私の初めてのジャッジ経験だったと思います。たしか2009年か、2010年くらいのことだったかな。そのあとが津田塾大学の梅子杯でした。それ以降は覚え切れないほどたくさんのジャッジをしました。この2校で私は教鞭をとっていたので、ジャッジに呼んでもらったんですよね。私にはパブリックスピーキングの経験がないので、自分ができないことをやっている他者をジャッジする資格はないような気がしていました。だけど何回かジャッジを経験するうちにハマってしまって、加えて同じくらいの時期に、プレゼンテーションの授業を2つ受け持つことになりました。それからは、いいプレゼンテーションの手法や大会のことを、ESSのメンバーから多く学びましたね。なので、まだプロとは言えませんが、ジャッジの経験から多くを学ぶことができたと思います。
それは素敵ですね。たしかに、キャリアにかかわらずパブリックスピーキングの技術を磨くことは大切ですね。ありがとうございました。
Q: では、お二人は今までだいたいいくつくらいの大会をジャッジしてこられましたか?
Fasca:私の場合は、だいたいですが、一年に6から8回くらいの本選ジャッジをしています。なので、累計だと50回以上くらいですかね。本当に概算ですが。
なるほど。ミラーさんはいかがですか?
Miller: 私もはっきりとはわかりませんね。だいたい30くらいかな? 最初の頃は年に2、3度くらいだったけれど、最近では4、5回はやってますね。あとちょっと驚いたんですが、チャドと私は去年一度会ったのが初めてなんですよね。どの大会だったかは忘れてしまったけれど、チャドは覚えている?
Fasca: 法政の大会だったかな?
Miller:そうかもしれない! ただ、お互いこれだけたくさんのジャッジを経験してきて、会うことがなかったというのは驚きですね。

Qもうひとつ、質問してもいいでしょうか。 オンラインのスピーチ大会について、どう思われますか?
Fasca: 難しい質問ですね(笑) 最近ではディベートの大会がオンラインで開催されていますが、ディベートが機能するのは、それが情報とアイディアの伝達だからです。その点スピーチは、スピーカーとオーディエンスの相互作用が必要不可欠である点で少し事情が違うような気がします。しかしオンライン大会の潜在的メリットとしては、ZOOMなどを通すことでより多くの人を呼んで、スピーチを見てもらえるという点ですね。唯一の欠点としては、ステージに立っているという感覚がどうしても失われてしまう点でしょう。なぜなら皆さん自宅等からスピーチをしていて、経験の強度という点では少し弱いまま終わってしまうかもしれません。大会が日常の延長線上にあるので、逆にリラックスして、自信を持って参加できるでしょうね。なので、ステージ上の感覚に圧倒されることがないぶん、よりよいパフォーマンスはできるかもしれませんね。
----その通りだと思います。オンラインのジャッジ全般について、ミラーさんはどう思われますか?
Miller:チャドの意見に全面的に賛成です。私はまだオンラインでのジャッジ経験がなく、授業くらいしかやったことがありませんが、なんというか驚きの連続ですね。予測していなかったことが起こる。だからオンラインでスピーチをする際は、気をつけなければならないと思います。オンラインの最も残念な点は、たくさんの聴衆の前でステージに立つ時の気持ちを感じられないこと、また客席からステージを眺めることができないことです。会場はいつも大会ならではの素晴らしい雰囲気に満ちていますからね。それが失われてしまうのは残念ですが、何もないよりずっといいでしょう。ZOOMで開催できる方が、何もないよりずっといい。
Q: 間違いないですね。何もないよりはずっといいです。現在KUELスピーチインストラクターはEAST JAPAN CupとJ.U.E.L. (East JapanおよびWest Japan通過車による大会)をオンラインで開催すべきか検討中です。それについてどう思われますか?
Fasca: 同じ大学のキャンパスに学生が集まることができれば、それぞれが所属するE.S.S.の前でのパフォーマンスを配信することはできそうですね。そうすれば、聴衆の前でスピーチを届けるという場を設けることは可能でしょう。 そうすれば、遠征による感染リスクも下げられます。すべて状況次第で、数が減っていることを願っていますが、コロナの収束はまだ先ではと感じています。

Q:ちなみに、自粛期間中は何をされていますか?
Miller: ただ教えて、たくさんのZoom会議に行くだけの生活ですね! 私の部署はZoomミーティングが大好きです。 コロナ前よりも多くの会議があると思います。 いつもZoomをしているように感じます。
ファスカさんはいかがですか?
Fasca:子どもと過ごす時間が長くなりましたね。
Miller:それは素晴らしい!
新しい趣味などはありますか?
Mathew: 1ヶ月ほど前からパン作りを始めて、今ではどハマりしています。チャドは?
Fasca: 私も以前より料理をするようになりました。長男が料理好きで、時々一緒に料理をします。私は彼の助手で、主に片付けが私の仕事ですね。
Fasca: 私の誕生日にはステーキ作り大会を開催して、それぞれステーキを作って、試食タイムも設けました。長男の圧勝でしたがね。
Q:ジャッジとしてのキャリアを振り返って、E.S.S.スピーチのどのような点が変化したと感じられますか? トピックからスピーカーの全体的なレベルまで、何でもかまいません。
Fasca: では私から話しましょう。スピーキングの全体的な質は年々向上していると感じています。全体的な英語のレベルはは上がっているようですね。教育システムの変化も関係しているのでしょうが、発音やイントネーションなど、10年前と比べて大幅に改善されています。ライティングの質も上がりましたし、デリバリーもよくなりました。スピーチのペースも、ストラクチャーやアイデアもよくなりました。コンテンツ的には、過去10年間であまり変わっていないと思います。
わかりました。では、ミラーさんはいかがでしょう。
Miller: 私も同じようなことを考えていました。私がジャッジをし始めた頃は、非常にフォーマルで真面目なスピーチが多かったことを覚えています。悪いことではありませんが、よくない部分があるとすれば、スピーチの流れが簡単に予測可能であったことでしょうね。しかし大会全体が、ゆっくりではありますが着実に、よりカジュアルで楽しいものに変化していると感じています。それは以前と比べてはるかに創造的で、スピーカーからも新しい挑戦への意気込みを感じます。私はそういう空気感が好きですね。おそらくE.S.Sの雰囲気が、スピーカーの挑戦を後押ししているのでしょう。この雰囲気がどこから生まれたのかはわかりませんが、10年前のスピーチコンテストより好きです。 当時、彼らがひどかったと言っているわけではありませんよ。それでも、今すぐ新しいことに挑戦し、創造性を発揮する機会があるスピーカーに楽しませてもらっています。そして、これからも楽しみにしています。

Q: E.S.S.スピーチは形式的すぎると思われますか? それとも、ジャッジングシートに合わせたスピーチをするべきだと思われますか?
Fasca: 私の場合、ジャッジングシートに基づいてスピーチをするべきではないと思います。 スピーカーは自分の心のままに、自分がしたいスピーチをするべきです。そして自分自身を英語で表現するということを意識したものでなければいけないと考えます。そして、自分の話す言葉を自分のものにしなければいけない。書き上げたスピーチが、クライテリアに一致する場合と一致しない場合があると思います。 しかし、結局のところ、どこかで折り合いをつけなければいけないでしょう。ジャッジングシートの通りにスピーチを書こうとすると、本当の自分を見失うでしょう。それはスピーチから透けて見えるものです。
Fasca: クライテリアについて追加ですが、いくつかのクライテリアを組み合わせても良いと思います。ジャッジとしては、スピーチを聞くという体験を楽しみ、パッケージ全体を評価したいと考えています。しかし時々、私はスピーカーと私自身がクライテリアの内容に縛られているように感じます。つまり、各スピーカーの話を聞きながら、多くのクライテリアを吟味しなければならないので、すべての観点からスピーチを見ることが非常に難しい場合があります。評価したいスピーチが、クライテリアに合っていないときもあります。それでも、このスピーチが素晴らしいと言うために私自身のクライテリアを書く場所はありません。クライテリアを緩くしすぎるとジャッジが難しくなるため注意が必要です。しかし、時には厳格すぎると感じます。
Miller: チャドに同意です。 時には、私がついていけないほど多くのクライテリアが設けられていることもあります。それによってスピーチに集中できないこともあります。しかしレセプションでは、多くのスピーカーからE.S.S.の手法にのっとったスピーチの磨き方について質問を受けます。最初はそれがあまり好きではありませんでした。 私はスピーカーに自由になってほしかった。しかし、深く考えてみると、E.S.S.の手法には素晴らしい点もあります。スピーチの基礎となる要素を含んでいますし、初心者にとっては、最初のスピーチをこれにのっとって作ることはよいことだと思います。ですがそれ以降はそれを基にして、異なった、より良いスピーチを作り上げなければなりません。スピーカーは成長し変化する必要があるので、常にそうしています。 問題は、スピーカーが同じ手法を何度も何度も使用することだと思います。
Q:これは難しい質問かもしれませんが、特に印象に残っている大会はありますか?
Miller: 特定の大会を答えるのは難しいですね。それでも、他の人が支え合っているのを見ると、それがE.S.S.が開催する大会のよさであると感じます。じゃあチャド、どうぞ。
Fasca: これらすべての大会で印象的なのは、さまざまな側面があることです。すべてのコンテストに完全なパッケージがあるとは限りません。それでも、Instagramの写真を撮れる場所など、多くのコンテストではユニークなロビーディスプレイのようなものがあります。おそらくJ.U.E.Lもそのひとつだったと思います。
別の大会では、2人のMCの間に遊び心のある会話があったりします。早稲田杯のようないくつかのコンテストでは、ジャッジだけでなくオーディエンスが質問をしたりします。普段はジャッジか専門の質問者がいるため、非常に面白いと思います。久保田さんのように、何年も前から聴衆に加わり、スピーカーに示唆に富む質問をしてくれる人もいます。時には、オーディエンスの質問は私がジャッジとして尋ねる質問よりも素晴らしかったりします。だから、私はいつもとても刺激を受けています。
Fasca:印象に残る大会でいえば、ウィリアムズ杯もですね。
Fasca:ウィリアムズ杯の有利な点は、200〜300人の部員を擁していることですね。各大学の大会はそれぞれユニークで面白いので、評価するのは難しいです。 しかしウィリアムズカップでは、コンセプト反映が非常に印象的です。ステージ上でのパフォーマンス、E.S.S.のメンバー、そして各スピーカーをショーのようにスターとして扱う手法はかなり印象的です。ですから、彼らの最大限の努力には敬意を払わなければならないと思います。

Q:では、お二方の好きなスピーカーやスピーチはありますか?
Miller: これは難しいですね(笑) しかし、私が聞いた最初の印象的なスピーチは、8~10年くらい前ですかね。その人が立ち上がってスピーチを始めたとき、彼女の英語はあまり上手ではなかったので、私は、スピーチの冒頭で彼女がここで何をしているのかと思いました。しかし、この人はステージを支配し、観客をつかんで手放しませんでした。そして、平凡な英語にもかかわらず、彼女のプレゼンテーションスキルを通じて、彼女は優勝し、オーディエンスプライズを獲得しました。この経験を通して、私があのとき驚かされたように、スピーチにおいて人の心を掴むには英語力以上に大切なものがあるということを学びました。私は英語の先生のように、英語のミスについてチェックをしていましたがそのスピーカーは私にジャッジとしての学びを与えてくれました。英語のスキルがそれほど高くなくても、素晴らしいスピーチをすることができるので、着目すべきことはたくさんあります。多くのスピーカーは、自分の英語はそれほど上手ではないと言います。そのとき、私は彼らにこう言います。他の何かで、英語が上手い人に勝てるようになりなさい、と。しかしとにかく、そのスピーチは私が今まで見た最初の、畏敬の念を起こさせるスピーチでした。残念ながら、その人の名前は覚えていませんが。
面白いですね。他に、最近のスピーカーでも構いません、印象的な人はいますか?
Fasca: 難しい質問ですね。最初に言っておきたいのは、私はすべてのスピーカーと、彼らのパフォーマンスを愛し、楽しんでいるということです。スピーカーは複数のコンテストに参加し、スピーチをするたびに、洗練されていきます。そのような職人技はとても魅力的です。また、それぞれのスピーカーの良さも理解しています。だから私は、西村健さんのショーマンシップを評価しています。そして三川エリーさんの叙情性を評価しています。あなたはレベルの高い語彙力でオーディエンスのレベルも上げました。植木日奈子さんもその一人でした。 彼女はとても魅力的な熱意と個性を持っていました。まだ学校に通っているのかわかりませんが、平沢さんのことも知っているでしょうか。
平沢杏樹さんですか?
Fasca: ああ、そうです! 彼女はすべてのスピーチに真剣に取り組んでいました。久保田さんもマスターでしたね。彼は話すとき、常にステージを統率しているように見えます。彼は最近、自身をサラリーマンとして紹介しましたが、それは彼の本質を確実に捉えていないと思います。制作のトップエグゼクティブと自己紹介してもいいでしょう。彼がステージに立つときはいつもそう感じます。他には、ああ、そうです。上田麻由佳さん。上田さんは笑顔が綺麗なので、いつもこの温もりを感じて話します。そして、吉田マークジオさん。彼はとてもカリスマ的です。
Fasca: 私は彼に惚れてしまっているかもしれません。(笑) あと、レイ・スゲングさんも忘れてはいけませんね。
Fasca:彼もステージ上での笑顔が魅力的な人で、陽気な熱意はみんなに喜びをもたらすと感じました。彼のスピーチはたしか、アニメへの愛と、日本にやってきた経緯についてでしたね。
そうです。私も、彼の “Zero to Hero” を覚えています。
Q: お二人は他に、スピーチに求めるものはありますか? たとえば、「勝つスピーチ」ってどんなスピーチでしょうか?
Miller:うーん(笑) 私が特に求めている2つの重要なことは、スピーカーと私が繋がりを持てるか、ということだと思います。スピーチの終わりに、私はその人を個人的なレベルでもう少し知ることができるからです。今、私はスピーチの中に多様性も求めています。だから、私が見たいのは表情など、さまざまなものです。満面の笑みを浮かべてスピーチをしている人をよく見かけますが、それだけではバラエティに富んでいません。これは、体の動き、ジェスチャー、声の大きさ、イントネーションについても同じです。すべてを内容に応じて変える必要があります。それで、それは自然でなければなりません、それはたくさんの練習によって身につくものです。次に求めているのは、ユニークなトピックです。これはあまり見かけませんが、スピーチを構成するユニークな方法のようです。E.S.S.の手法を利用したスピーチや、その亜種はよく見かけています。ですから、まれに独自のスタイルのスピーチを目にすることがあると、とても感動しました。あとは、リサーチに基づいた情報は説得力があり、感銘を受けることも多いです。そして、私は彼らの提案を予想します。つまり、一言で言えば、多様性とユニークさは、私が最も感銘を受ける2つのことです。
Q:それが1位と2位の分かれ目となるのかもしれませんね。
Miller: ええ。私たちが目にするスピーチの99%は、一般的に英語が上手です。 みんなのプレゼンテーションスキルはかなり洗練されているので、結局は最もユニークで独創的なスピーチに帰着します。これが、誰が勝者になるかどうかを判断する方法です
つまり、深く考えさせられるようなスピーチということですか?
Miller:そうです。大会後にスピーカーの主張を聴衆が考えさせられるか。
Miller:私の好きなスピーチは、最後に、彼らと会話を交わしたと感じられるスピーチです。彼らが何者で、何に情熱を持っているかがわかるような。そういうスピーチが、私が大好きなものです。

Q: E.S.S.はもっと、トーストマスターズ的な価値観を取り入れるべきだと考えますか?
Fasca:いい質問ですね。おそらくどれだけの自由を与えたいかによると思います。トーストマスターズの大会では、オーディエンスがスピーチの審査員を務めます。だから投票制度があり、合計があります。重要なのは、何を捉えたいのか、またはジャッジに判断してもらいたいのかです。とりとめのない答えしかできないので、あとはマシューに任せます。
Miller: 私にもわからないよ!(笑) トーストマスターズの大会のことはあまり知りませんが、チャドと私が以前話したことに戻ります。ご存知のとおり、E.S.S.のジャッジングシートは素晴らしいです。そして、イントネーションではなく、ストレスにいくつのポイントを与えるべきかどうかを議論するのにあまりにも多くの時間を費やしています。それがどれほど異なっているか、そしてどれほど重要であるかようなことを。そして、時間切れになります。しかし、私たちがしなければならないことは、私たちにとって何が重要か、またはコンテンツ、正確さ、プレゼンテーションスキルがどれほど重要かを考えることだと思います 3つすべてが等しく重要でしょうか? または、コンテンツをもう少し評価する必要があるでしょうか? とにかく、これについて考えて、より良いものに変える価値があると思います。
Fasca: K.U.E.L.メンバーの協力も必要でしょうね。彼らはE.S.S.の経験豊富なメンバーだったからです そしてほとんどが、スピーカーとして活躍した人たちです。 集まって、基準のようなものを考え出すことが極めて重要です。そうすれば、すべてのE.S.S.が採用することができます。もちろん、各E.S.S.で何かを変えたい、または何かを強調したいのであれば、それは彼ら次第です。しかし、私たちが取り組んでいるこの種の共有基準がある場合、大会全体がより公平になるかもしれません。
Miller: その通りですね。
Q:最後に、コロナ禍の中でスピーチを頑張っている人たちのために、何かアドバイスを頂けますか?
Fasca: パブリックスピーキングは、何千年もさかのぼる古くからのものです。だから、あなたは高貴な芸術とその追求に従事しています。そしてその前で、コロナ禍は小さな障害です。このスピーチ活動を通して、みなさんは人生の準備をしています。ですからスピーカーとしての経験は、どんな世相になろうとも役に立つと思います。スピーカーとして、心から探求したいことがあるとき、障壁となるものは何もありません。それが私たちがスピーチで探しているものだからです。どちらかといえば、コロナウイルスはあなたにあなたの考えを伝えるためのより緊急性と情熱の感覚を与えるはずです。今の時代はみなさんにスピーカーとして立ち上がり、人々が聞くためにあなたの言葉を出す方法を見つける機会を与えてくれます。そして、私たちは素晴らしい時代に生きています。コロナウイルスは分断を生みました。それでも、それは私たちのコミュニケーション能力を分断してはいません。私たちは他の手段を見つけなければなりません。新しい経路を構築することは私たちに挑戦する可能性があります。だから、これをスピーカーとして自分自身を再発明し、スピーチ大会を再発明する機会として使用してください。みなさんはそれを、障害ではなく機会として捉えることができます。
Fasca:私たちにできることがもう1つあります。 エリミネーション中にスピーチをビデオ撮って、私たちに送ることもできます。新しい時代にスピーチ大会を新しくするために使用するプラットフォームはたくさんあると思います。
Miller: すべてのスピーカーに伝えたいのは、やる気がない時は、他の人のスピーチを手伝うことをお勧めします、ということです。あなたのモチベーションを取り戻すためのよい方法は、他の人をサポートすることだと思います。そして、何もしない代わりに、誰かを助けることができ、彼らが目標を達成するのを助けることができます。その見返りに、あなたはあなたのモチベーションを取り戻すことができます。
貴重なご意見をありがとうございました。
(文/三川エリー 訳/上田麻由佳 編集/西村健・伊東陽生)
インタビュアー感想(三川エリー)
ミラーさんとファスカさんの私生活を垣間見ることができたのはもちろん、(ネイティブジャッジの視点からすると)現在のESSスピーチ界にどのような変化が必要なのかが明らかになったのでインストの私にとっても、非常に勉強になりましたし、このようなインタビュー企画を設けてくれた健に感謝しかないです。
【特典】お二人のおすすめスピーチ
Mr. Chad Fasca
“The Danger of A Single Story” (Ted Talk by Adichie)
Mr. Mathew Miller
“Power of Persuasion” (Fred Roger)